病院や大学で使ってちょうだい コロナワクチン冷凍庫、全国に2万台

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大鹿靖明

 全額を公費負担している新型コロナウイルスのワクチン接種(特例臨時接種)が3月末に終わるため、ワクチン保管用に全国の自治体などに配備された冷凍庫2万台がお払い箱になりそうだ。たった2、3年使っただけで廃棄するのはもったいないと、厚生労働省は、病院や大学に譲渡するなど有効活用を全国の自治体に呼びかけている。

 厚労省は90億円余をかけて、マイナス75度の超低温冷凍庫(ファイザー社ワクチンむけ)9900台、マイナス20度対応の低温冷凍庫(モデルナ社ワクチンむけ)1万2千台、それに保冷バッグを購入。そのうち1万5千台をワクチン接種を受け持つ自治体に譲渡し、7千台は政府が保有し職域接種を担う企業などに貸与した。もともと生産台数が少ない特殊な冷凍庫を、全国に行き届かせるべく、メーカー5社に増産してもらってしのいだ。

 しかし、コロナ感染がピークを過ぎると、自治体から「もうあまり使わない」「電気代がムダ」など、扱いに困る声が目立つようになった。かといって「廃棄するには、冷媒に使われる代替フロンの処理も含めて1台あたり5万~10万円かかる」と、メーカーEBAC(エバック)社の佐々木健社長。別のメーカーPHCホールディングスの広報担当者も「当社の製品の耐用年数は8年だが、実際は10年以上使われることも多い」という。

 このため厚労省は昨年12月…

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