自衛隊を逐次投入した理由は 元陸将が語る能登地震「三つの特徴」

有料記事

聞き手・牧野愛博

 能登半島地震が発災して間もなく1カ月になります。現地には今なお、多数の被災者が残され、復旧活動も難航しています。陸上自衛隊東部方面総監を務めた磯部晃一元陸将は、「従来あった物資を次々送り込む支援ではなく、被災者を生活可能な地域に移す支援が必要ではないか」と指摘します。

 ――災害支援を巡り、様々な指摘が出ています。

 災害が起きるたびに「これまでの教訓を生かしていない」という指摘が出ますが、震災だけでも阪神淡路、東日本、熊本など、被害の態様は千差万別です。特徴が違うため、簡単に比較できないことを、まず理解すべきです。

「過去の地震、被害の態様は千差万別」 能登地震にみられる三つの特徴

 能登地震の場合、三つの特徴があります。第1が複雑な地形です。ほとんどの集落は海岸線に沿って延びる道路からしかアクセスできません。今回は震災で海岸線の道路が寸断されたため、各集落に着くまでに時間がかかりました。

 第2に今回の被災地は小規模…

この記事は有料記事です。残り2116文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島