誹謗中傷対策でジャニーズ被害当事者らが意見 「すさまじい暴力」

島崎周

 「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表の平本淳也さんらは18日、総務省の有識者会議が実施している誹謗(ひぼう)中傷対策についてのパブリックコメントに意見を提出したと明らかにした。インターネット接続事業者(プロバイダー)に対し、誹謗中傷の被害者からの求めがあった場合、投稿の速やかな削除や発信者情報の開示を義務付ける法改正を求めている。

 意見を提出したのは平本さんと、NPO法人「シンクキッズ―子ども虐待・性犯罪をなくす会」代表理事の後藤啓二弁護士。18日に開かれたオンラインの会見で、後藤弁護士は「誹謗中傷は最悪、人を死にまで追い込むすさまじい暴力であるという認識にたって、対策を講じる必要がある。被害実態をふまえた法改正を求める」と述べた。

 旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.=スマイルアップ)の創業者、故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐっては、誹謗中傷を受けていた男性が昨年亡くなり、自殺とみられている。平本さんは「被害者に対する誹謗中傷は心の傷をえぐりだし、さらに深く傷つける耐え難いもの。今の案に記載された対策では被害者が救われることはない」とのコメントを寄せた。

 2022年10月には「プロバイダー責任制限法」の改正法が施行され、誹謗中傷した投稿者の情報開示までの期間が短縮されている。有識者会議が昨年12月に示したとりまとめ案では、プロバイダーに対しての投稿削除や発信者情報の開示の義務は盛り込まれなかった。有識者会議はパブリックコメントをふまえ、今年度中にとりまとめを策定するとしている。(島崎周)…

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