能登被災地に爪痕「漁師あきらめなあかん」 隆起が起こした影響は
鈴木智之 中村瞬 瀬川茂子 竹野内崇宏
能登半島地震では、能登半島北岸で最大4メートルほど地盤が上昇する「隆起」が発生した。津波の被害を抑えた面もみられる一方、漁港が使えなくなるなど、復興に影を落とす。能登半島を形づくってきた「数千年に1度」のまれな現象とみられ、研究者も驚きを隠さない。
能登半島の西岸、石川県輪島市門前町鹿磯(かいそ)の鹿磯漁港。港湾内に岩や貝、ヒトデの姿がそのまま見える。
「吐き気がするほど怖い。鳥肌が立った。津波は大丈夫かと思ったが、隆起は想像もしていなかった」
40代の男性漁師は、見慣れた漁港の変化にうなだれた。
東京大などの調査では、4メートル近い隆起があったと推定されている。
「直るには年単位の期間がかかるのではないか。5~7月には各地からイカ釣り船が集まる漁港ですが、その人たちも来られないでしょう」
漁師の松村実さん(63)は…
【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら