警視庁各部門のプライドと自信、欠点にも 元警視総監・池田克彦さん
聞き手 編集委員・吉田伸八
首都の治安を担う警視庁は15日、1874(明治7)年に創設されてから150年を迎える。警視庁に通算10年7カ月勤務し、2010年1月~11年8月にはトップの警視総監を務めた池田克彦さんに思いを聞いた。
警視庁に勤務中、色々な事件や事案がありましたが、一番大きな出来事は警視総監だった2011年に起きた東日本大震災です。各地から派遣される部隊の補給・兵站(へいたん)はそれまで、受け入れる被災地の県警が行うのが原則でしたが、東日本大震災では警視庁が担いました。画期的なことで、その後の大災害では大きな警察が補給を担う新しい制度作りにつながりました。
のちの警察官人生に大きく影響したのは、32歳の時の第7機動隊長としての経験です。東京サミットや成田空港闘争など大規模な警備が続いた時期で、徹夜で現場に泊まり込み、警備は隊員が心を合わせないとできないと痛感しました。約500人の隊員全員をフルネームで覚えました。心に刻みましたから、今でも言えます。警察庁で法律を作る立場と現場の力と、両方の発想ができるようになりました。
警視庁は東京の仕事を担って…