自民の「政治刷新本部」、11日初会合へ 小泉元環境相も参加か

自民

西村圭史
[PR]

 自民党は派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題をふまえ、岸田文雄首相(党総裁)の直轄で党内に設ける「政治刷新本部」の初会合を11日に開く方向で最終調整に入った。政権幹部が明らかにした。

 メンバーは茂木敏充幹事長や森山裕総務会長、小渕優子選挙対策委員長ら「党7役」や、首相側近の木原誠二幹事長代理が中核となる予定。青年局長経験者も加える方向で、小泉進次郎元環境相や小倉将信前こども政策担当相らを念頭に検討している。最高顧問には首相経験者の麻生太郎副総裁と菅義偉氏が就任。首相周辺は「挙党態勢で臨むための人事だ」と話す。

 刷新本部には外部有識者も参加。政権幹部によると、1月下旬に開会予定の通常国会までに中間取りまとめをする方向だという。首相は年頭の記者会見で「必要があれば関連法案を提出する」としており、政治資金規正法の改正まで踏み込むかが焦点となる。

 自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化したとされる事件では、東京地検特捜部が7日に同派所属の衆院議員・池田佳隆容疑者らを政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕するなど、捜査が続いている。

 首相は「中間とりまとめでそれなりの形にしたい」と周囲に意気込みを示すが、政権幹部は「議論は捜査の状況を見ながら」。さらに派閥の存在自体に否定的な最高顧問の菅前首相がどう出るかなど、議論の先行きは見通せない。(西村圭史)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    西田亮介
    (社会学者・日本大学危機管理学部教授)
    2024年1月9日14時19分 投稿
    【視点】

    理念としては、およそ30年前に党で決定した「政治改革大綱」は脱派閥、政治資金の透明化等を掲げて相当程度現在でも通じる内容を含んでいる。政治刷新本部なるものが「改革案」を打ち出すとして、かつて定めたはずの大綱がなぜ死文化、形骸化したのかも掘り

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    大川千寿
    (神奈川大学法学部教授)
    2024年1月9日18時10分 投稿
    【視点】

    今般の政治資金パーティをめぐる裏金問題では、自民党が相変わらず派閥や個々の政治家の連合体としての性質を強くもっていることを印象付けられました。そして、単に選挙互助会、あるいは、政治家が政権党としてのラベルを得るための党となっているのではない

    …続きを読む
政治資金問題

政治資金問題

「政治とカネ」にかかわる問題が浮上しています。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]