「輪島にお世話に…」ゆかりの竹箸メーカーや仏壇店が被災地を支援
能登半島の地震で大きな被害を受けた石川県輪島市。その輪島にゆかりがある熊本県内の企業が被災者の支援に乗り出している。
南関町の竹箸メーカー「ヤマチク」は地震2日後の3日から、売り上げを全額寄付する3膳で千円の商品をオンラインストア(https://yamachiku.stores.jp/)で売り始めた。最初に用意した30セットは10分間で売り切れ。その後も順次、補充している。6~8日の3連休は工場に隣接する店舗「拝啓」でも売る予定だ。
工場にある塗装や切削用の機械約10台は輪島市内のメーカー製だ。新潟や富山にいる日本酒やみそづくりの友人たちがSNSで「家が倒壊した」「工房が全壊した」と投稿しているのを見て、ヤマチクの山崎彰悟専務(34)は被災地への支援を決断した。
ロシアのウクライナ侵攻や九州豪雨災害では箸を特別にデザインし、その売り上げを寄付した。しかし、今回は年末年始の休業中で間に合わない。そこで、素材にシミがある、塗りにかすれがあるなどの「アウトレット品」をまずは販売することにした。山崎専務は「被害は今後も広がるだろう。息長く支援していきたい」という。
熊本市西区にある輪島漆器仏壇店は、被災者に小型の仏壇を送料も含めて無料で送ることにし、2日からホームページ(https://wajima-100.info/)で募集を始めた。この仏壇は桐(きり)製で買えば3万9千円する。HPでは資金を支援してもらう寄付も募っている。
2020年に熊本県内の球磨川流域で大きな被害を出した豪雨の際にも、小型仏壇を被災者に無料で送った。自宅から何とか持ち出せた位牌(いはい)を、仮設や復興住宅に安置する人が多かったという。
店は、永田幸喜社長(61)の両親が輪島で漆器の食器や家具を仕入れ、熊本県内で行商したことから始まった。「仏壇は売っていないのか」という声に応えて35年ほど前に店開き。「輪島の漆器が好きだから」と父親が、「永田仏壇店」ではなく、今の社名にした。
今は輸入品も扱っているが、「やはり輪島塗はモノが違う」と、「くまモン」をあしらった仏壇では、蒔絵(まきえ)を輪島の職人に依頼した。永田社長は「この地震で、職人さんが廃業してしまわないか。それが一番心配」と話す。
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能登半島地震(2024年)
2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。地震をめぐる最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]