羽田空港でJAL機炎上、乗客乗員379人全員が脱出 海保機と接触

有料記事日航機・海保機事故

本山秀樹 上地一姫 小早川遥平
【動画】激しく炎を上げながら炎上する日本航空機=嶋田達也撮影

 2日午後5時50分ごろ、東京都大田区の羽田空港C滑走路で、着陸しようとした日本航空(JAL)の516便と、滑走路上にいた海上保安庁の航空機が衝突し、双方が炎上した。警視庁や東京消防庁によると、海保機の5人が死亡、1人が重傷を負い、JAL機の乗客・乗員のうち14人が負傷した。

 海保機は能登半島地震の救援のため、新潟航空基地に向かおうとしていたという。国の運輸安全委員会は2日夜、航空事故と認定し、調査を始めたと発表した。警視庁は3日、東京空港署に特別捜査本部を設置し、業務上過失致死傷容疑を視野に捜査する。

 国土交通省によると、JAL機が南側から着陸しようとした際、C滑走路上にいた海保機に衝突。その後、C滑走路北側まで進み、炎上した。海保機は誘導路からC滑走路に進入した可能性があるという。JALは2日夜に会見し、C滑走路への着陸許可について「出ていたと認識している」と説明した。

 JALや東京消防庁によると、516便の乗客は乳幼児8人含めた367人、乗員は12人。この計379人は全員、脱出用シューターを使うなどして脱出した。このうち14人が気道熱傷や打撲などで負傷したが、命に別条はないという。

 海保機には男性6人が搭乗しており、5人が死亡。機長はやけどを負って重傷だが、搬送時に意識はあったという。

 3日午前0時現在、JAL機の消火活動は続いており、C滑走路は使用できなくなっている。海保機は2日午後8時半に鎮火した。

 JALや国交省によると、516便(エアバスA350)は2日午後4時15分に新千歳空港を出発し、約1時間半後に羽田空港に着陸しようとしたところだった。

 海保機は羽田航空基地所属のボンバルディア社製で長さ25・68メートル、幅27・43メートル、高さ7・49メートル。

 海保機の乗組員6人は次の方々。いずれも第3管区海上保安本部羽田航空基地所属。

 上席飛行士(機長) 宮本元気さん(39)

 ▽主任飛行士(副機長) 田原信幸さん(41)▽通信士 石田貴紀さん(27)▽探索レーダー士 帯刀航さん(39)▽整備士 宇野誠人さん(47)▽整備員 加藤重亮さん(56)

 過去に国内で起きた主な航空機の事故は以下の通り。

     ◇     …

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    田中知之
    (音楽プロデューサー・選曲家)
    2024年1月2日22時55分 投稿
    【視点】

    衝突した海上保安庁の飛行機の乗員の安否はまだ不明で心配だが、まずは日航機の乗客乗員全員避難の報にホッとしている。私は昨日も鹿児島から伊丹のJAL便に乗ったのだが、目の不自由な方が乗客にいらっしゃって、CAさんが救命胴衣を離陸前にその方に装着

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    江渕崇
    (朝日新聞経済部次長=日米欧の経済全般)
    2024年1月2日22時55分 投稿
    【解説】

    炎上した機体はA350-900(Airbus A350 XWB)というエアバスの中でも最新のワイドボディー(複数通路)の中大型機で、登録番号はJA13XJ、記録によると2021年11月にデリバリーされ、運航を開始しているようです。  JA

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