第9回「広島、長崎は論外」 92年来日の米大統領訪問先で外務省北米局

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長崎潤一郎
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 「広島、長崎は論外。京都が候補」。1992年1月のブッシュ米大統領の国賓来日を前に、地方訪問先として外務省がそんな考えを示した資料があった。外務省が先月20日に公開した外交記録に含まれていた。

 外務省北米局が91年9月11日付でまとめた「極秘 無期限」の「ブッシュ大統領訪日に向けた準備(第8次案)」。実際にブッシュ氏は、かつて米国が原爆を落とした広島や長崎に行かず、京都で御所を散策したり、奈良で米国の玩具店「トイザらス」の開店セレモニーに臨んだりした。

 当時の日米間の懸案は長引く貿易摩擦。冷戦終結後の湾岸戦争では、米国を中心とする多国籍軍への日本の貢献は後手に回った。このため「湾岸戦争を通じ、日米関係が傷ついた」とこの資料では指摘している。

 さらに91年12月に真珠湾

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長崎潤一郎
経済部|首相官邸担当
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エネルギー政策、税制
外交文書公開

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30年が経過した外交文書は原則公開対象になります。外務省は、特に国民の関心が高い記録については、外部有識者が参加する公開推進委員会で審査し、毎年末、一括して公開しています。朝日新聞の記者が、これらの文書を徹底して読み込み、取材や分析を加え、日本外交史の真相に迫ります。[もっと見る]