南海電鉄、和歌山港線で走行試験 「係員付き自動運転」目指す
寺沢尚晃
南海電鉄が和歌山港線(和歌山市―和歌山港、2・8キロ)で、信号システムメーカーの京三製作所(横浜市)とともに進めている自動運転の走行試験が18日、報道陣に公開された。
就労人口減少などで運転士らの人手確保が難しくなる将来を見据え、自動運転によって効率化が図れないか、8月から検証している。
鉄道の自動運転は係員の乗務形態により、目視運転の「0」から完全な自動運転の「4」までレベル分けされている。両社が目指しているのは「係員付き自動運転」の「2・5」。運転士はいないが、係員が先頭車両の運転台に座り、緊急停止の操作や避難誘導を行う。
この日の試験では、係員が列車を出発させるボタンを押し、2両編成の車両が和歌山市駅を出発。廃止された途中駅で自動停止しながら和歌山港駅に向かった。緊急停止の試験は、折り返して和歌山市駅に到着する前。係員が緊急停止用のボタンを押すと、しばらくして電車は静かに止まった。
両社は今後、雨天時などを想定した試験も行い、走行の精度を上げていく。南海電鉄の岡本広基・運転担当課長は「自動運転では、前後1メートル以内の停止を目指しているが、ほぼ範囲内に収まっている。今後は加減速の調整など、乗り心地の良さも機械に覚えさせたい」と話した。
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