ほっておけず任意で受け入れ、財政的には火の車 元暴走族の心意気

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編集委員・大久保真紀

 「金がないから受け入れない、では悲しい。必要があるから引き受けている」。自立準備ホームを運営する大阪府東大阪市のNPO法人「チェンジングライフ」理事長の野田詠氏さん(47)は言う。

 刑務所や少年院から出るのに帰る場所がない人を受け入れる自立準備ホーム。保護観察所からの委託を受け、就労や自立に向けて支援をする。委託費は住居、食費、自立準備支援費を合わせて1人1日あたり約5300円。それで運営の人件費も含め、すべてをまかなわなくてはならない。

 着の身着のままで来た少年への衣服や、受け入れ直後に必要な布団やシャンプーなどの生活雑貨なども用意しなくてはならない。保護観察所からの委託がつかない、つまり委託費が出ない若者らも多く引き受けている。

 準備ホームを始めた2011年からの受け入れは委託ありが35人、委託なしは初犯で試験観察処分になり対象にならない人も含めて、39人にのぼる。

 少年院は帰住先がなければ出院することができません。刑務所は満期になれば出所できますが、出院後に住むところがなければ、再犯する確率は高くなります。被害を生み出す再犯を防ぐため、行き場のない人たちを支えようと奮闘する各地の自立準備ホームを訪ねました。その4回目です。

 たとえば、少年院で面会した…

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この記事を書いた人
大久保真紀
編集委員
専門・関心分野
子ども虐待、性暴力、戦争と平和など