「コントラバス持ち込めますか」意見求めた奏者 識者は周知不足指摘

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三井新
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 「これ持って満員電車乗っていいですか?」

 あるコントラバス奏者が、自身の愛器を人の背丈ほどもあるケースに入れて持ち運ぶ写真をSNSに投稿した。賛否の議論が巻き起こったが、結論として、JRの規則では「NG」だった。でもそんなルール、知っていましたか?

 奏者は石塚廉さん(28)。今年9月の投稿に対し、「人が1人分入れそうなサイズ」「運ぶの勇気いりますね。周りの目が気になる」といった書き込みのほか、「宅配便や車を使え」「移動が不便なのが嫌なら音楽やめればいい」との反応が目立った。

 なぜわざわざSNSで意見を求めたのか。

 先輩奏者の「電車で楽器を持ち運び、人とぶつかって楽器が壊れた」といった内容のSNS投稿がきっかけだった。

 石塚さん自身もかつて、電車で楽器を運んでいる時、他の乗客から「邪魔だ」と言われたり、ケースを蹴られたりした苦い経験を持つ。楽器運搬の実情を知ってもらいたいと思った。

 中学1年の時、部活動でコントラバスを始めた石塚さん。音大生になってからは電車を使って楽器を持ち運ぶ機会も増えた。通常はソフトケースを使うが、飛行機やトラックに載せる時など目を離す場合は、より頑丈なセミハードケースを使う。厚さは約40センチ、幅約60センチ、高さは約180センチになる。

 しかし、JR各社によると、車内に持ち込みできる手荷物は、縦・横・高さの合計が250センチ(1辺あたりの長さは200センチ)以内。石塚さんのコントラバスは3辺の合計が約280センチに達し、そもそも持ち込みできない。

電車に持ち込める荷物には大きさに制限がありました。それを知らなかったことに石塚さんは反省の意を示しますが、公共交通のマナーに詳しい識者はルールの見直しを呼びかけます。

「都合良く考えていた」

 規則では、楽器やサーフボー…

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