「脅され」「無断で」離婚される外国籍の妻 背景にある制度の違い

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杉原里美

 日本人男性と結婚した外国籍の妻が、知らない間に夫から離婚届を出されたり、離婚を無理強いされたりするケースが相次いでいる。

 関西地方に住む東南アジア国籍の女性(39)は、勤務していた別の国で2011年に日本人の夫と結婚し、7年後に来日した。小学生の長男は当時、幼稚園児だった。夫婦仲は良かったという。

 小学校に入ると、女性と長男が日本語を十分できないことで夫の母に責められるようになり、夫ともケンカになった。夫は離婚を言い出したが、女性は離婚したくなかったという。

 同郷の友人に相談したところ、相手方から離婚届が出されても不受理にできる手続きがあると知り、「離婚届不受理申し出」を区役所に提出した。

 だが数日後、夫から区役所に連れて行かれ、不受理申し出を撤回させられた。「離婚届にサインしないと、息子に会わせないよ。在留カードも更新させないよ」と耳元で言われ、怖くてサインしたという。離婚届の「夫が親権を行う子」の欄に長男の名前が記入され、夫が親権者になっていたことは、後で知った。

 自治体の外国人支援の窓口に…

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