ハラスメントを知る=人間関係を学ぶこと 誰かの心壊してしまう前に

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聞き手・中村真理

 いじめもパワハラもDVも、ある共通した問題の構造がある――。長くパワハラ事件を担当してきた愛知県弁護士会の岡村晴美弁護士は指摘します。クラス中からいじめられた経験を持つ岡村さんがたどり着いた、人を破壊するハラスメントの本質について聞きました。

「思い出すだけで生きる力が吹き飛ばされる」

 ――ハラスメントが横行している。深刻な被害に理解のない見方も多いです。

 ハラスメントを行為や言動ととらえ、「そんなことぐらいで」と軽く見る発言は社会にまだまだ多い。判決や裁判書面も、傷ついた経験のない人が科学的な根拠に基づかずに想像の範囲で書いていると感じることがある。弁護士による二次被害も多い。

 ハラスメントは被害者が加害者に迎合するような態度を取るなど、通常と異なる状況が起きうる。心理メカニズムを知れば理解できるが、健全な状態と比較してしまうと判断を誤る。

 ――いじめの経験とハラスメント事件の弁護で気づいた「共通する構造」は。

 長い間続く集団で、本来安心…

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