保守の受け皿か「百田ファンクラブ」か 意欲と懐疑交差の日本保守党

有料記事

寺沢知海 国吉美香
[PR]

 作家の百田尚樹氏らが立ち上げた政治団体「日本保守党」がネットを中心に注目を集めている。X(旧ツイッター)の公式アカウントのフォロワー数は33万超と、約25万の自民党をはじめ、既存政党をはるかにしのぎ、同党によると党員数も5万7千人を超えた。「国政を目指す」とするが、百田氏らは出馬を明言せず、その本気度をいぶかる声も聞かれる。

 「神話とともに成立し、およそ二千年、天皇を中心に一つの国として続いた例は世界のどこにもありません。断固として日本を守る。そのための新たな政治勢力が必要です」

 10月17日にあった結党会見。冒頭、百田氏は「思いが込められている」として自らが書いた結党宣言を読み上げた。

 「日本の国体、伝統文化を守る」など、8項目の重点政策を主張。憲法9条改正や移民政策の是正、消費税減税のほか、電気自動車への補助金廃止、男女共同参画政策に関する支出の見直しなどを掲げている。

 事務総長には、百田氏と親しいジャーナリストの有本香氏が就き、さらに共同代表として河村たかし名古屋市長を迎えた。重点政策には、議員の「家業化」をやめることや名古屋城の天守木造化完遂など、「河村印」の政策も並ぶ。河村氏は2012年、日中戦争時に日本軍が捕虜らを殺害した南京事件をめぐり、「なかったのではないか」と発言。有本氏はこの発言を契機に河村氏と知り合ったという。

「熱気」に包まれた街頭演説 支持者の思いは

 故安倍晋三首相と会食するなど、自民党保守派とも交流がある百田氏だが、結党会見では「ちょっと違うんじゃないかとの思いがあった」と自民党を批判。自民党が主導する形でLGBT理解増進法が成立したことを挙げて「この党を立ち上げた決定的な理由」とし、「一部の政治家だけが自分たちの理念と正義と思想で国柄を変えていくのは絶対に間違っている」と訴えた。

 日本保守党は一般党員の党費…

この記事は有料記事です。残り1264文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら