「真相知りたい」 朝日新聞阪神支局襲撃から37年 拝礼所に市民ら

真常法彦
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 兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局に男が侵入し、散弾銃で小尻知博記者(当時29)ら2人が殺傷された事件から3日で37年がたった。支局には拝礼所が設けられ、訪れた市民らが小尻記者の遺影に手をあわせた。

 記帳台設置と3階の事件資料室公開(午前9時~午後2時)は2019年以来、5年ぶりに再開された。

 大学時代に小尻記者の取材を受けたという千葉県の高校教諭、沼山尚一郎さん(60)は「取材対象に優しく接する記者だった。なぜこんな事件が起きたのか、真相を知りたい」と話した。

 事件は1987年の憲法記念日に起きた。午後8時15分、目出し帽をかぶった男が支局に侵入し発砲。小尻記者が死亡、犬飼兵衛記者(2018年死去)が重傷を負った。

 「赤報隊」を名乗る犯行声明文には「すべての朝日社員に死刑を言いわたす」と記されていた。

 警察庁は、その後判明した東京本社銃撃などを含め「広域重要指定116号事件」として捜査を続けたが、2003年までにすべての事件が未解決のまま時効を迎えた。(真常法彦)

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