多数の人質も戦略? 市民犠牲と引き換え、ハマスが仕掛ける心理戦

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エルサレム=高久潤 ワシントン=下司佳代子

 イスラエルとイスラム組織ハマスは30日、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘の一時休止と人質交換の合意を、さらに1日延長することで合意した。「ハマス壊滅」を目指すイスラエル。人質を「活用」して有利な状況をつくりだそうとするハマス。多数の命をかけたぎりぎりの交渉が続く。

 27日の合意で、一時休止は30日午前7時(日本時間午後2時)までとされていた。期限が迫るなか、イスラエルのネタニヤフ政権は、ハマスが提出した解放対象の人質リストを一度は突き返して更新を求めるなど、緊迫した雰囲気の中で交渉が続いた。

 イスラエルが22日の閣議で承認した案では戦闘の一時休止は最大10日とされた。今回ハマスは、交換対象を女性と子どもだけでなく、成人男性や兵士を含む人質や遺体にも広げて停戦を求めたが、イスラエル側の意向で最終的には「1日の延長」で決着した。

 「ハマスの壊滅」を目標に掲…

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この記事を書いた人
高久潤
エルサレム支局長
専門・関心分野
グローバリゼーション、民主主義、文化、芸術
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]