日常にない刺激をここで 重度障害者を支えるパラスポーツ指導員

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編集委員・中小路徹
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現場へ! パラスポーツの裾野②

 水の中で上半身を支え、ゆらゆらと下半身を左右に揺らす。「キックしてみる?」と子どもの足の裏を壁に当てる。

 東京都北区にある東京都障害者総合スポーツセンターのプール。上級パラスポーツ指導員の矢壁彩(35)が、6歳の女児に声をかけ、いろいろな動きができるように導いていた。女児は先天的に両下肢の機能がなく、両手指に障害がある。

 矢壁は大学まで水泳を競技として続け、2012年に同センターの運営を受託する東京都障害者スポーツ協会に就職した。パラスポーツ指導員は、あらゆる障害の種類や程度、ニーズに合わせてスポーツ活動を支援する専門職だ。矢壁は中でも重度障害者の水泳教室を重点的に担当してきた。

 「陸では関節の曲げ伸ばしが難しい子たちが、水の中では緊張がほぐれ、体がフニャッとなる。(水中が)リラックスできる場だと学んでから、重度の障害がある方々のプール活動を、特に大切に考えています」

 重度障害者は、水の中だと日…

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