「世界一美しいコンビニ」は徳島にある デジタル企業社長が挑む未来

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聞き手・伊藤裕香子
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 徳島県那賀町の山あいの道を行くと、ちょっと目を引く建物が現れる。屋根には大きく「未来コンビニ」の文字が見える。人口減と高齢化が進むこの地域にできて3年あまり、手がけたのは地元出身で、電子書籍取次大手メディアドゥ社長CEOの藤田恭嗣さん(50)だ。大手コンビニチェーンもない場所に、なぜコンビニを?

 ――デジタルの世界で事業を展開する藤田さんが、なぜコンビニをつくったのですか。

 「那賀町の木頭(きとう)地域は人口が1千人を割り込みました。これから10年、20年先は急激に過疎化が広がっていくと思います。少しでも若い人が興味を持てるしかけ、若者が働ける場所が必要と考えたことと、買い物が難しくなっている高齢者の課題を掛け合わせて考えると、コンビニというキーワードにつながりました」

 ――道の駅やラボではなく、どうして「コンビニ」の名前にしたのですか。

 「だれもが知っているビッグワードを取りにいきました。『コンビニ』に斬新性と若者をかけあわせれば、地域の課題を解決できないだろうか。『世界一美しいコンビニ』を掲げて、建築デザインにこだわりました」

 ――トラックの運転手など、訪れた人が建物の写真を撮っていました。いくつもの建築賞もとったそうですね。しかし、既存のコンビニは美しくないのでしょうか。

 「美観を地域にあわせること…

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この記事を書いた人
伊藤裕香子
論説副主幹
専門・関心分野
税財政、くらしと消費、地方経済