「鎖をかける」「地雷を置く」悪質ホスト 気付けば支払い1千万円に
二階堂友紀
女性(20)が初めてホストクラブに行ったのは、18歳の時だった。
幼いころから親と離れて暮らしていた。「お姉さん、安いからどう?」。客引きに声をかけられて入ったホストクラブは「キラキラした世界」だった。楽しかった。酒も飲んだ。
有名なホストに憧れて東京の新宿・歌舞伎町へ。数千円ですむ初回料金を利用し、20~30店回った。親の愛情を知らずに育ったが、その時だけは寂しさを忘れられた。「かわいいね」「好きだよ」。言われる度に心に空いた穴が埋まっていくような気がした。援助交際や路上売春でお金を稼ぎ、ネットカフェを転々とした。
昨秋、ある「担当」(指名するホスト)と出会い、恋心を抱いた。「おはよう」「今日は何するの?」。恋人のようなメッセージをくれた。泣きながら電話すると、駆けつけて一晩ずっと一緒にいてくれた。
毎日のように店に通い詰めた。1回で数万円、シャンパンを開けた時は10万~20万円。営業が終わると、2人だけで会った。「店の外で会っているのは君だけ」「将来は2人で焼き鳥屋をやろう」。未来を夢みた。
「私だけと言ってたのに」 別のホストに通った
「お金=愛情だから」と同じ…