「鎖をかける」「地雷を置く」悪質ホスト 気付けば支払い1千万円に

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二階堂友紀
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 女性(20)が初めてホストクラブに行ったのは、18歳の時だった。

 幼いころから親と離れて暮らしていた。「お姉さん、安いからどう?」。客引きに声をかけられて入ったホストクラブは「キラキラした世界」だった。楽しかった。酒も飲んだ。

 有名なホストに憧れて東京の新宿・歌舞伎町へ。数千円ですむ初回料金を利用し、20~30店回った。親の愛情を知らずに育ったが、その時だけは寂しさを忘れられた。「かわいいね」「好きだよ」。言われる度に心に空いた穴が埋まっていくような気がした。援助交際や路上売春でお金を稼ぎ、ネットカフェを転々とした。

 昨秋、ある「担当」(指名するホスト)と出会い、恋心を抱いた。「おはよう」「今日は何するの?」。恋人のようなメッセージをくれた。泣きながら電話すると、駆けつけて一晩ずっと一緒にいてくれた。

 毎日のように店に通い詰めた。1回で数万円、シャンパンを開けた時は10万~20万円。営業が終わると、2人だけで会った。「店の外で会っているのは君だけ」「将来は2人で焼き鳥屋をやろう」。未来を夢みた。

「私だけと言ってたのに」 別のホストに通った

 「お金=愛情だから」と同じ…

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    藤田結子
    (社会学者)
    2023年11月27日19時49分 投稿
    【視点】

    YouTubeやXなどのソーシャルメディアからは、ホストの男性たちの親しみやすさを伝える動画や写真が大量に流れてくるため、若者にとってホストクラブの敷居が低くなっているといわれています。 記事にもあるように、お金を払えばすぐに「愛情」

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    インベカヲリ★
    (写真家・ノンフィクションライター)
    2023年11月28日12時44分 投稿
    【視点】

    よくキャバクラに通う男性と比較されるけれど、これを読むと、女性の場合は風俗で働かせるための入り口としてホストが機能しているのだということがよくわかる。 借金を背負わせるという意味では、キャバクラより、昔の絵画商法に近いのかもしれない。売掛

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