文化人らも通った水俣病闘争の「アジト」、通算50年で終止符

有料記事

今村建二

 水俣病闘争の拠点で、多くの支援者や文化人、ジャーナリスト、学生たちのたまり場だった「喫茶カリガリ」(熊本市中央区)が18日に50年の歴史に幕を閉じる。閉店を前にした12日、常連客ら約100人が集まって名残を惜しんだ。

 開店したのは1971年10月。水俣病1次訴訟が本格化し、患者を支える活動が活発になっていた。

 製糖業界の労働組合幹部として活動し、作家となる松浦豊敏さん(宇城市出身)が闘争支援のために帰郷。それを機に妻の磯あけみさん(76)と店を開き、ふたりで切り盛りしてきた。

 作家の石牟礼道子さんや評論家の渡辺京二さんら多くの文化人が通い、水俣病闘争支援の「アジト」と呼ばれた。

 家主との賃貸契約が終了した2014年にいったん閉店したが、「もう少しがんばれるかしら」という磯さんの思いから、別の場所で1年半後に再開。営業は週の半分だけとなったが常連客を喜ばせた。

 しかし、まとまった旅行もほ…

この記事は有料記事です。残り327文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
今村建二
水俣支局長|水俣病・環境担当
専門・関心分野
地方政治、環境