1.5度目標から遠い日本のGX 経団連や企業の「政策提言」影響か

有料記事気候変動を考える

竹野内崇宏

 英独立系シンクタンクのインフルエンスマップは14日、脱炭素社会を目指す日本のグリーントランスフォーメーション(GX)政策と、国内企業や業界団体による影響を分析したリポートを発表した。立案までに出された意見のうち8割以上が、製鉄などの一部企業や業界団体に集中しており、全体の15%を日本経済団体連合会(経団連)の意見が占めたという。

 GXは化石燃料由来から再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギー中心の社会構造への転換を目指す日本政府の方針。

 脱炭素と経済成長の両立を目指すとして、今年2月にGX基本方針が発表され、5月にはGX推進法も成立した。

 官民で計150兆円を超える投資が見込まれる一方で、産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える国際目標に貢献できるのか、疑問視する見方も出ている。

 そこで、投資家らに向けて気候変動やエネルギー関連の情報をまとめているインフルエンスマップは、日本のGX政策について検証した。

 まず、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示す科学的な対策との整合性を検証したところ、GX政策では水素やアンモニアとの混焼を対策案に掲げつつ、二酸化炭素(CO2)排出の大きい化石燃料による発電を長期に想定するなど、1・5度目標と整合しない対策が多数含まれると評価した。

経団連「提言ほとんど取り入れてくれた」

 さらにこうしたGX政策の立案に、企業や業界団体の意見がどのように反映されたかを調べた。

 日本企業30社と50の業界…

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