31歳「嫁」が老舗の代表取締役に 残業を減らして自社ブランド展開
武部真明
大学受験で多くの人がお世話になった「赤本」を製本する老舗。出版不況のなか、代表取締役になったのは、当時31歳の「嫁」でした。それから3年。「イノベーションを起こした」と評判になっています。それはなぜ? 「嫁」ならではの強みとは?
「工場にトンボの死骸が落ちていました」。取引先の新入社員が研修で訪問した後、アンケートにこんな感想を書いていた。代表取締役の藤沢佳織さん(34)は「衝撃過ぎました」と振り返る。
まず、働く環境から変えよう――。これがイノベーションの出発点になった。工場が汚いと、美しい本を作る技術があっても正当に評価されない。5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)運動を呼びかけた。
その手段は「よめ通信」。A…