朝鮮人虐殺めぐる官房長官の「記録見当たらない」発言、野党が追及

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編集委員・北野隆一

 9日にあった参院の委員会で、関東大震災時の朝鮮人虐殺をめぐって松野博一官房長官が8月30日の記者会見で「政府内に事実関係を把握できる記録が見当たらない」と発言したことについて、野党議員から質問が相次いだ。

 内閣委で立憲民主党の石垣のりこ氏は、自民党が野党だった2011年7月27日、松野氏が衆院文部科学委で教科書検定問題について質問した際に「朝鮮半島出身者に対する殺人事件が多数発生した」と述べ、政府に「被害者が何名と認定したか報告していただきたい」と求めていたと指摘。石垣氏は「(虐殺を)事実として発言している。いまの答弁と矛盾するのではないか」と追及した。

 松野氏は「私の質問は、教科書検定について教科書の内容を引用したもの。政府見解は『裁判記録がなく、現時点から把握しようとしても困難』ということだった。当時の政府見解と、私の記者会見での発言は矛盾しない」と答えた。

 また参院法務委では社民党の…

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この記事を書いた人
北野隆一
東京社会部
専門・関心分野
北朝鮮拉致問題、人権・差別、ハンセン病、水俣病、皇室、現代史
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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター長代理)
    2023年11月9日21時25分 投稿
    【視点】

    記事中にある2011年7月27日の衆院文部科学委での松野博一官房長官の発言について、今年9月5日配信の下記の記事へのコメントプラスで、国会会議録をもとに詳細に紹介しました。 「朝鮮人虐殺、資料見つかる 神奈川知事名の報告書か 被害者名も記

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