危機の上に危機が重なり、6500万人が食料不足 東アフリカの今
紛争や自然災害が多発する世界で、最も影響を受けている地域の一つが東アフリカです。来日した、国連世界食糧計画(WFP)でスーダンやエチオピアなど10カ国を担当するマイケル・ダンフォード東アフリカ地域局長に、現地の状況や日本に期待する役割について聞きました。
――東アフリカの現状を教えてください。
私が担当する10カ国で、計6500万人の人々が深刻な食料不足に陥っています。日本の人口の半分に相当する人数です。原因は長引く紛争や気候変動、新型コロナウイルス、インフレーション。危機の上に危機が重なり、人々はさらに弱くなっています。
エチオピア、ソマリア、南スーダンでは紛争が起き、計1500万人以上が難民として自国を離れたり、自国内で避難生活を余儀なくされたりしています。人々は家畜を失い、生計が立てられません。WFPはこうした人々すべてに食料を供給しなければなりませんが、ニーズが増える一方で資金が減少しています。支援が必要な全員に食料を届けられず、飢餓のレベルが高まっているのです。
スーダンではこの地域で最悪の慢性的な紛争が続いており、2千万人が飢えています。チャド、エチオピアなど近隣の貧しい国々にも影響を及ぼし、地域全体の状況を悪化させている。エチオピア、ソマリアでも紛争が続いており、そこに干ばつや洪水などが起きました。危機はますます深刻になっています。
東アフリカに目を向ける必要性とは
――近年の異常気象は東アフリカの食料不足にどんな影響を及ぼしていますか。
東アフリカは歴史的に干ばつ…
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