ネタニヤフ首相の支持率低迷、地元紙も退場勧告 国民がいらだつわけ
イスラエルが、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスへの攻撃を激化させるなか、国内でネタニヤフ首相への批判の声が高まり続けている。「ミスター安全保障」を自任しながらハマスの急襲を許し、自らの責任は棚上げにして軍部やメディアを非難する姿勢に、厳しい視線が注がれている。
「ネタニヤフ首相は、一刻も早く辞任するべきだ」
イスラエル紙ハヨムは7日、ネタニヤフ氏への「辞任要求」を掲載した。これは、国内で驚きをもって受け止められた。ハヨムは元来、ネタニヤフ氏を厚く支持する論調で知られ、同氏の「広報紙」と揶揄(やゆ)されるほどだからだ。
ハヨムの報道部長はこの記事の中で、ネタニヤフ氏が戦時下にもかかわらず、「口論と分裂」をあおり続けていると指摘。「争いを乗り越えるどころか、政治的な泥仕合を目の当たりにさせられている」と批判し、「戦争後に」との留保をつけつつも、明確な辞任要求を突きつけた。
支持率、前大臣より低く
イスラエル紙マアリブの世論調査によると、10月7日に発生したハマスの襲撃について、国民の8割が「ネタニヤフ氏は責任を認めるべきだ」と考えている。ハマス壊滅を目標に掲げたガザでの地上作戦については、65%が支持した一方で、ネタニヤフ氏が「首相にふさわしい」と答えたのは28%にとどまった。これは、戦時内閣の一角を担うガンツ前国防相の48%を大きく下回る。
テロや「敵国」との戦争が始まると政治指導者の支持率は上がる傾向がある。そうならないのはなぜか。
ガンツ氏をはじめ、軍や情報…
【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら
イスラエル・パレスチナ問題
イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]