長野駅前にタワマン計画 千石劇場や飲食店街を再開発

菅沼遼
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 長野市のJR長野駅善光寺口に近い一画に、地上28階建て、高さ約100メートルのタワーマンションが計画されていることが8日、明らかになった。完成すれば県内で最も高い建物の一つとなる。大規模な再開発事業に伴うもので、2029年度の完成を目指している。

 この日開かれた長野市都市計画審議会で、市が都市計画の素案の中で明らかにした。

 再開発事業の予定区域は長野駅から徒歩数分の南石堂町と末広町にまたがる一帯。映画館「長野千石劇場」や飲食店が立ち並んでいるが、空き店舗が増えており、幅4メートル以下の狭い道路は防災面で課題となっているという。

 この再開発は市が22年2月につくった「中央西地区市街地総合再生基本計画」の中で重点プロジェクトに位置づけられている。善光寺表参道入り口の「新たな顔」となる建物の建設と、周囲のにぎわいの創出、防災性の向上が目指されている。

 計画素案によると、タワーマンションの敷地面積は約3400平方メートル。低層には店舗や事務所が入り、高層が集合住宅で約200戸が入る。地権者らが再開発組合をつくり、建設する。店舗や事務所の区画数については「準備組合と話し合いをしている段階」(市の担当者)という。約180台分の立体駐車場も含む。

 建物の北側と東側には幅6メートルの区画道路を新たに整備し、市道を挟んで南側の複合ビルとは歩行者用デッキでつなぐ計画だという。

 審議会の委員からは「商業施設が少なく、にぎわい創出につながるか」といった意見が出た。市の担当者は「マンション部分が多いのは理解しているが、『まちなか居住』を進めるのも大事。住む人にいかに外に出てもらうか考えていくことが重要になる」と話した。

 今後、素案の閲覧期間を経て、要請があれば公聴会を開くなどして案を固め、24年3月までに都市計画を決定する予定。25年度から今ある建物の取り壊しを始め、29年度の完成を目標としている。(菅沼遼)

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