街にコストコ来る 急いだ開発、市は見つかった遺構を公開せず埋めた
大型量販店の建設予定地から珍しい遺構が見つかった。ところが、遺跡発掘調査を担った自治体側は開発スケジュールを優先し、一般向けの現地説明会を開かず、遺構を埋め戻した。専門家から「市民への公開が望ましいケースだった」と指摘する声が上がっている。
金丸・南アルプス市長「市の命運をかけた事業」
珍しい遺構が見つかったのは、山梨県南アルプス市でコストコの建設が予定される市有地。市は昨年7月、コストコの運営会社と協定を締結し、2024年度中の開業に向けて造成工事を進めている。コストコの進出は県内初。一帯の開発について、金丸一元市長は「市の命運をかけた事業」と位置づける。
市教委は昨年10月、建設予定地6ヘクタールのうち3・5ヘクタールで発掘調査を開始。ここから弥生時代中期から近代にわたる約2千年間の遺構や遺物が連綿と発見された。南東部からは、平安時代から鎌倉・室町時代にかけてのものと見られる二重の区画溝の一部や、東西に走る道路跡も確認された。
同市は「甲斐源氏」と呼ばれる源氏の一門が拠点を構えた「源氏の里」として知られる。市教委文化財課は「区画溝で囲まれた部分は、重要な場所、有力者の居館などであることが推定される。時代から見て甲斐源氏につながる可能性もある」と説明する。
市教委は、発見された遺構に…
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