人道的休止要請に耳貸さぬイスラエル 限界を迎えるガザの不安と混乱
イスラム組織ハマスとイスラエルとの軍事衝突によるパレスチナ自治区ガザ地区の人道状況の悪化を受け、主要7カ国(G7)外相会合が8日、戦闘の「人道的休止」を支持する共同声明をまとめた。ただ、イスラエルは、国際社会からの批判や求めに関係なく、ハマスを壊滅させるまでガザへの攻撃を続ける構えだ。ガザの人道危機に歯止めがかかる見通しは全く立っていない。
「ここで1時間、あそこで1時間、状況を確認するための(戦闘の)小休止はこれまでもしてきた」
イスラエルのネタニヤフ首相は6日の米ABCテレビのインタビューで、人道的な目的のための戦闘休止をしないのかと問われ、そう答えた。ハマスが人質を解放しない限り、人道目的を含めた戦闘休止はないと改めて強調した。
ガラント国防相も7日、「我々は圧力を受け続けるだろう。でも我々は戦いを止めない」と、国際社会からの批判は織り込み済みであり、戦闘に影響を与えないとの考えを示した。
ガザの人道危機は深まる一方だ。イスラエル軍は10月7日の戦闘開始以降、「テロ組織に属する拠点」とする1万1千カ所を空爆した。空爆と地上戦を連携させたイスラエル軍の攻撃で死者は1万人を超え、負傷者も急増。国連によると、ガザの住宅の半数にあたる20万戸が損壊、人口の7割にあたる150万人がガザ内の病院や国連施設などで避難生活を余儀なくされている。生活インフラの破壊にも歯止めがかからない。
全く足りてない支援物資
7日には南部のラファ検問所…
イスラエル・パレスチナ問題
イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]