国立劇場が閉場、再開時期は見通せず 伝統芸能の普及継承に影響も
歌舞伎や人形浄瑠璃文楽、邦楽など様々な伝統芸能の公演や、担い手の養成を行ってきた国立劇場(東京都千代田区)が10月末、建て替えのため、いったん閉場した。ただ、再整備事業の入札が進まず、新劇場の開場時期は未定。代替の劇場で公演は続けるが、先行きは不透明だ。
10月26日、現在の建物では最後の主催公演、歌舞伎「妹背山(いもせやま)婦女(おんな)庭訓(ていきん)」が千秋楽を迎えた。終演後、劇場を運営する日本芸術文化振興会(芸文振)の長谷川眞理子理事長があいさつに立つと、客席から「早く建ててっ」と掛け声がかかった。この日、茨城県から訪れた女性(59)は「再開場が『いつかな』とワクワクする気持ちではなく、不安があります」と話した。
1966年開場の国立劇場は歌舞伎公演が多い大劇場(1610席)と、文楽用の設備がある小劇場(590席)を持つ。同じ敷地には、79年完成の国立演芸場(300席)も立つ。
記事後半ではホテルなど民間収益施設の整備も含む建て替え事業が落札にいたっていない経緯、歌舞伎や文楽公演で懸念される影響などについて触れています。
歌舞伎では、民間では難しい…
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