限界に来たG7の「偽善」と「二重基準」 ガザへの攻撃、どう見るか
パレスチナ自治区ガザ地区で、イスラエル軍による地上作戦が始まりました。難民キャンプなど民間施設への空爆も続いています。東京外国語大学の黒木英充教授(中東地域研究)は「米国など主要7カ国(G7)のdouble standard(二重基準)とhypocrisy(偽善・欺瞞〈ぎまん〉)が、国際社会で大きな問題になっている」と指摘します。
――難民キャンプへの空爆などで大勢の民間人が亡くなっています。
イスラエルはガザの「民族浄化」のために、住民を強制移動させつつ爆撃し、生活基盤を徹底破壊して、約1万人を殺害しています。これはすでに絵に描いたような国際人道法違反の戦争犯罪です。1948年国連総会採択の「ジェノサイド条約」に照らして、ジェノサイドに当たる可能性が高いと思います。
ガザ住民の大半は、イスラエル建国以来、その領域から追放された難民の子孫です。イスラエルはガザを国際法に反して占領・封鎖してきました。境界での自由な往来を許さず、許可したわずかな物資しか搬入させず、さらに今回、水・電気・燃料・食料の全てを早々に遮断しました。
不法な占領下の人々には抵抗する権利があります。民間人を拉致・殺害するのは犯罪ですが、イスラエル軍を攻撃するのは、国際法でも認められた抵抗権の行使だと言えます。
ガザ地区では約1万人の死者…
イスラエル・パレスチナ問題
イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]