第1回力ずくの侵攻で、平和は訪れない アフガンの教訓を忘れるな
暴力が歯止めを失い、あまりに多くの命が奪われていく。ガザをめぐる不条理が止まらない。
きっかけはイスラム組織ハマスのイスラエルへの攻撃だ。村々を襲い、音楽祭の会場で銃を乱射し、1400人を殺害。子どもや高齢者を含む240人以上を拉致した。報復攻撃が始まると「空爆1回ごとに人質1人を殺す」と脅迫した。
いかなる理由があっても決して許されない残忍なテロ行為だ。
これをイスラエルは自国にとっての「9・11」と思い定めた。米国が2001年に同時多発テロに襲われ、首謀者らをかくまうタリバン政権下のアフガニスタンに対して戦争を始めたように、ハマスに対する「戦争」を宣言。ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に容赦ない攻撃を始めた。
二つの「戦争」は、よく似ている。報復する側の圧倒的な軍事力と、巻き添えになる民間人の多さ。自衛権の行使を理由に始めた作戦が、テロとは無関係の人々の命と生活を破壊し、国際法で認められた範囲を超えてしまっている点も同じだ。
深刻化するガザ地区の人道危機を前に、国際社会はなぜ有効な手を打つことができないのか。世界からの視点で、突きつけられた課題を読み解く。
「戦争にもルールがある」 警告を無視
テロの恐怖と怒りに駆られた…
イスラエル・パレスチナ問題
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