描ける能力は「汎用性高い」 初の公立高マンガ学科、開設から半年
長妻昭明 吉田啓
公立高校で全国初の「マンガ学科」が、熊本県立高森高校(同県高森町)に開講して半年が過ぎた。40人の1期生たちがプロのマンガ家らの指導を受けながら、授業や部活動で作品制作に取り組んでいる。ある日の授業をのぞいてみた。
「楽しんで描きましょう」。10月中旬の午後、パソコン室に集まった生徒たちに特別講師のイラストレーター、さいきゆみさんが語りかけた。週2コマある「マンガ制作」の授業だ。
この日のテーマはデジタルマンガ制作。生徒たちはプロ御用達の機材やソフトウェアを使い、主人公のキャラクター作りに取り組んだ。
「普段どんな風にキャラクターを作っていますか」と、さいきさんが尋ねる。生徒からは「服や風景など、自分の好きなものを詰め込んでいきます」「自分の描きたい場面を思い浮かべて考えます」と答えが返ってきた。
「ネガティブな感情も含めて、自分の心の奥底をよく観察して、自分が本当に描きたいものを描いていきましょう」。さいきさんは、ソフトウェアの使い方といったノウハウに加え、創作活動を続けるうえで大切になる心構えも伝えた。
定員割れだった学校に、県外からも出願者
マンガ学科は今年4月に開講した。
「週刊少年ジャンプ」が最も…