送還対象の子らに異例の救済 納得できぬ線引き、でも見いだした希望

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浅倉拓也

 日本で育ちながら強制送還におびえ、将来の夢を描けない子どもたちがいる。そうした子どもらに対し、法務省が8月、保護者ら家族も一緒に在留特別許可(在特)を出すという異例の措置を示した。ただし、対象は「日本生まれの18歳未満」に線引きされた。

 西日本の高校に通う男子生徒は、部活帰りに母からのLINEで「ビザ(在特)が出るかも」と知った。両親は南アジアから夫婦で来日し、難民申請をしている。

 法務省が「今回限り」として在留を認めるのは、日本生まれで小中高校に通う18歳未満。対象は約200人おり、男子生徒もその1人だ。

 「うれしかった」。まず頭に浮かんだのはアルバイトができるということ。そして、友だちと遠くまで遊びに行けること。今は働くことも、出入国在留管理庁(入管)の許可なく居住地以外の県に行くこともできない。入管から一時的に収容を解かれた「仮放免」という立場だからだ。

 中学からの友人や高校の部活仲間とは、とても仲が良い。みんなで遠出する話が出たら、いちおう計画に加わりつつ、「予定が入った」とキャンセルする。近場でも電車賃や食費がかかりそうなら、たいてい断る。

 事情は誰にも言っていない。「どう思われるか心配だから。気を使われるのも嫌だし」。在特が出たら「バイトして、日本全国に行きたい。どこも行ったことないんで」と言う。

 別の大学生の姉弟は同じ仮放免の立場だが、18歳を超えている。措置の対象にはならないが、姉は意外にも「うれしい」と声を弾ませた。

「バイトをして母さんを助けたい」

 「自分のことは置いといて…

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この記事を書いた人
浅倉拓也
大阪社会部
専門・関心分野
移民、難民、外国人労働者
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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2023年11月12日18時38分 投稿
    【視点】

    「仮放免」の暮らしは本当に切実です。記事にあるように、許可なく県外に出ることはできないし、バイトももちろんできない。健康保険に入れないので病院に行くとどれだけ請求されるか分からないので行かない人が多いです。責任のない子どもたちも同じです。ま

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