李克強氏の旧居に追悼の人波、あふれる花束 当局は世論の動向警戒
中国の李克強(リーコーチアン)前首相が68歳で急逝した2日後、安徽省の省都・合肥に向かった。李氏が少年時代を過ごしたとされる住居の周りでは、花を手向けて悼む市民が絶えないというのだ。
10月29日午前11時すぎに到着すると手前の道路に200メートルほどの行列ができ、花を手にした人たちが次々にやってくる。別の方向からの行列もあり、それぞれ数百人単位の人数だった。人波は途絶えることなく、この勢いであれば李氏の死後に万単位の人たちが押し寄せたであろうことが想像できた。10万の単位にのぼったかもしれない。
建物を取り囲むように置かれた無数の花。白や黄色の菊が多く、バラやガーベラもあった。高いところでは3メートルほど積み上がっている。人々は花を置き、頭を下げた。
花束にはさまざまなメッセージカードが添えられている。「人民のよき総理、ご冥福を祈ります」「李おじいさん、いつまでもあなたを思います」「あなたの一生は、人民のために働く一生でした」
引退後も一定の人気があった李氏の死去をめぐっては、中国当局が神経をとがらせていることがうかがわれる。中国では1989年、改革派の指導者だった胡耀邦・元共産党総書記への追悼が民主化要求、そして天安門事件につながった。当局は体制批判に発展する世論の動きを警戒し、ネット上の書き込みや閲覧を制限している。香港メディアは、山東省などで当局が大学生の追悼活動を禁止する通知を出したと伝えた。
合肥でも28日と29日の音楽イベントが延期され、チケットを持っている人に無料で観光地が開放された。大人数が1カ所に集まることを当局が避けたいためだ、との見方がある。
李氏の旧居の周辺はどんな様子だったか。当局が配置した大量の人員が交通整理にあたり、「前に進んで。立ち止まらないように」と注意する声があちらこちらで響いていた。混乱が起きないように、当局が細心の注意を払っていたが、追悼の人波から体制批判につながるような雰囲気を感じることはなかった。ただ、当局が神経質になっていることが垣間見える、こんなことがあった。
記事の後半では、9年前に記者がミャンマーで試みた「ぶら下がり取材」に李氏が応じた際の様子もつづられています。
消えたメッセージカード
上海市民を名乗って李氏を悼…
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- 【視点】
「李克強総理、加油(がんばれ)!」。せめてそのぐらいは言わせてほしかった人たちが訪れていたのでしょうか。習近平氏への権力集中が進むなか、頑張れ!すらはばかられる雰囲気だったでしょう。経済改革頑張れ!だけでなく、習氏に負けずに頑張れと一体と、
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