約200年ぶりの天皇退位 「賛成」「よかった」の受け止めが大半
世論に見る平成の内閣㊱
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岸田文雄首相は10月23日の臨時国会で所信表明の演説を行い、「安定的な皇位継承」について言及しました。「とりわけ」と強調した後、皇族数確保のための具体的な方策などについて政府の有識者会議がまとめた報告書を国会に提出済みであると指摘。「『立法府の総意』が早期に取りまとめられるよう、国会での積極的な議論が行われることを期待する」と述べました。
この有識者会議は、2017年に成立した天皇退位の特例法の付帯決議で、安定的な皇位継承を確保するための課題や女性宮家の創設などを検討し報告するよう、国会が求めたことを受けて、政府が設置したものです。
天皇退位をめぐっては、安倍晋三内閣時代の16年に動きがありました。8月8日に宮内庁は、天皇陛下(現上皇さま)が「象徴としてのお務め」についてのお気持ちを示したビデオメッセージを公表。退位の願いを強くにじませた内容でした。
皇位は江戸後期以降、天皇の逝去に伴い受け継がれていました。仮に生前での退位が実現すると、1817年の光格(こうかく)天皇以来、約200年ぶりのことになります。
ビデオメッセージ公表直前の8月に行った調査(電話)では、皇室に関する法律である皇室典範には生前に皇位を譲る退位についての決まりがないことに触れ、この「生前退位」の賛否を尋ねています。結果は「賛成」が84%と圧倒し、「反対」はわずか5%でした。
ビデオメッセージが公表され…