『セクシー田中さん』誰がためのセクシー? 見られる性と主体性の間
テレビ番組評「試写室」
『セクシー田中さん』
★29日 日テレ系 夜10・30
「経理部のAI」の異名を持つ田中さん(木南晴夏)には、同僚には秘密の裏の顔がある。実はベリーダンサーだったのだ。芦原妃名子の漫画が原作で、今夜が第2話。
セクシーであること。それは何のためだろうか。商社勤めの笙野(毎熊克哉)は「男にこびを売るため」という価値観から抜け出せない。ペルシャ料理店でダンサー姿の田中さんを見て、「おばさん」「痛々しい」と言い放ってしまう。
見る性としての男性。見られる性としての女性。根強く残るこの図式を田中さんはひらりと越える……とも言い切れないのが面白い。「見られる」ことを引き受けつつ、主体的にセクシーに。そんな田中さんの生き方に引き込まれる。
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- 【視点】
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