気候危機「未知の領域」に 過去10万年で最も暑い夏か、科学者警鐘
地球は「未知の領域」に入ってしまった――。米国の研究者らがまとめた2023年の気候変動報告書が24日発表され、温暖化を中心に地球環境が悪化の一途をたどっていると警鐘を鳴らした。とりわけ日本でも記録を更新した今夏の猛暑は「地球の過去10万年で最も暑かった可能性がある」とし、今後さらに熱波や洪水などが増えると警告している。
報告書は、2019年に初版が発表された「気候緊急事態」に関する警告の最新版。
気候変動の最新状況をまとめ、人類存亡の危機があることを「科学者の道徳的責務」として社会に伝えようと、1万5千人以上の研究者が署名している。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーの消費量は21~22年にかけて17%増の堅調な伸びを示した。
ところが世界の石炭消費量も22年にほぼ史上最高に達したという。ロシアのウクライナ侵攻の影響を受けた面があるものの、化石燃料が支配的な状況は変わらず、化石燃料由来のエネルギー消費量は再エネの15倍だという。
コロナ禍からの復興とともに期待されていたような、気候変動対策も一緒に進む「グリーンリカバリー」は「ほとんど実現しなかったようだ」と結論づけた。
そして直面したのが23年夏の数々の異常事態だった。
世界気象機関(WMO)など…
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