東日本最大級の横穴墓群「十五郎穴横穴群」 国史跡に指定へ

富永鈴香

 国の文化審議会は20日、茨城県ひたちなか市にある「十五郎穴横穴群(じゅうごろうあなよこあなぐん)」を新たに国史跡に指定するよう文部科学相に答申した。274基が確認されている東日本最大級の横穴墓群で、指定されれば県内で34件目の史跡となる。

 県や市教育委員会によると、凝灰岩の台地の崖面(高さ約5メートル)に穴が掘られており、面積は約5万6千平方メートル。一つの穴には1人~複数人を埋葬した。位置関係や埋葬方法の特徴などから、大きく分けて三つの同族集団が使用していたと推定される。

 7世紀前半に造営が始まり、9世紀前半まで追葬で使用された。2011年の発掘調査では、正倉院に残るものと同じ刀子(とうす)という宝物が見つかり、大和政権とのつながりがあった集団だと推察されている。「古墳時代終末期から平安時代初頭の東日本社会を考える上で重要」と評価された…

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この記事を書いた人
富永鈴香
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
人権問題、政治参加、表現の自由