プーチン大統領は交渉可能なのか 彼が「バブル」の中で見ているのは
ロシアによる侵攻が続くウクライナ。停戦の気配はいまだ見えませんが、どこかの時点で、和平交渉という局面を迎えるかもしれません。そんなとき、ロシアのプーチン大統領は交渉可能な相手なのか。英シンクタンク「ヘンリー・ジャクソン協会」の研究員で、ウクライナとロシアの政治や地域情勢に詳しい著名な学者、タラス・クジオ氏に聞きました。
――本題に入る前にこれを聞いておきたいのですが、ウクライナのゼレンスキー大統領は、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの攻撃を受けたイスラエルへの支持をすぐに発表しました。ただ、パレスチナは明らかに、国際法に違反して占領されている土地です。
ウクライナとしては、ハマスとイラン、それにイスラエルという三者の間でバランスを取ることはできない。イスラム主義者による「パレスチナ運動」は、ウクライナにとって肯定的なことは何もしていません。
世界には多くの不公正があります。ただ、悲しいことに地政学的なアプローチをしなければならず、特に戦時下では、理想主義や空想主義を持ち続けることは不可能です。それが現実です。
プーチン氏が期待する「ウクライナ疲れ」
――ウクライナの現実を直視したときに、いつまでも西側の支援が続く保証はありません。となると、究極的に、プーチン氏との交渉の可能性が気になります。
私は彼が交渉可能な人間だと…
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