キヤノン、シェア奪還の切り札を発売 10年かけた半導体製造装置

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田中奏子
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 半導体の製造に使われる露光装置で、キヤノンが10年がかりで開発した新方式の商品を発売した。露光装置はかつて日本メーカーが市場を独占していたが、今ではオランダのASMLに圧倒された。新型装置で同社の牙城(がじょう)を崩すことができるかが、注目される。

 キヤノンは18日、横浜市で自社技術の展示会を開き、新方式「ナノインプリント」の露光装置をお披露目した。半導体ウェハーに微細な回路を描くための装置だ。

 同社が得意とするインクジェットプリンターとカメラの技術を応用した新技術で、プリンターがインクを垂らすように、半導体のウェハーにごくわずかな樹脂を垂らす。そこに、回路パターンの凹凸を刻んだ型をスタンプのように押して回路を描く方式だ。ウェハーと型の位置は数ナノメートル(1ナノは1メートルの10億分の1)もずれないという。

 いま主流の露光装置は、強い…

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