運休続くJR美祢線、100周年事業が中止

向井光真
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 JR美祢線利用促進協議会(会長=篠田洋司・美祢市長)は13日、大雨での被災で美祢線の運休が続いていることを受け、臨時総会を山口県美祢市で開いた。今年度計画していた美祢線の100周年記念事業の中止を決めた上で、従来の利用促進策を検証するワーキンググループ(WG)の設置を決定した。

 協議会は美祢、山陽小野田、長門の沿線3市とJR西日本などで構成する。臨時総会では美祢線の復旧見通しが立っていないことから、来年3月の記念セレモニーやスタンプラリーなど100周年記念の13事業を中止することとした。

 また、美祢線の復旧を見据えて実効性のある利用促進策を検討するため、公共交通に詳しい識者やコンサルタントらを含めたWGの設置を決めた。

 県と沿線自治体は美祢線の復旧を強く求めており、来賓で参加した村岡嗣政知事は「復旧後の実効性ある利用促進策の検討をスピード感を持って進めていくことが必要」と強調。

 線路・橋梁(きょうりょう)が流された厚狭川の「防災強度向上」をJR西が河川管理者の県に求めていたことを受け、「抜本的な河川改修を実施する」と述べて近く改修計画をJR西に提示する考えを示し、早期復旧を改めて訴えた。

 ただ、JR西は路線の再開をこれまで明言していない。WGの担う議論のあり方をめぐっても、復旧を前提とする自治体側との間で考えに隔たりが見えた。

 JR西の広岡研二広島支社長は会合でWGについて「地域公共交通の持続可能性の確保を一緒に検討する」と言及。会の終了後、重ねて報道陣に「議論の入り口を開けて頂いた。地域の意見を聞き、様々なデータを取って、美祢線が地域の役に立つ公共交通になっているのか、相談したい。使いやすく持続可能性が高い地域公共交通を将来的にどう作り上げていくのか、という議論になる」との認識を示した。

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