リニア「本坑」で初のトンネル貫通 工事関係者ら160人が万歳三唱

平林大輔
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 JR東海リニア中央新幹線の建設工事で、実験線を除いて初めてとなるトンネルが13日、山梨県富士川町で貫通した。幅1メートルほどの穴から反対側の光が差し込むと、工事関係者ら約160人が万歳三唱し、喜び合った。

 貫通したのは、第一南巨摩(こま)トンネル(710メートル)。実際にリニアが走る「本坑」で、2022年3月に掘削が始まった。この日、切り羽と呼ばれる先端部で重機が壁を掘削した。

 JR東海の渡辺隆・中央新幹線山梨西工事事務所長は「日本の大動脈を(東海道新幹線と)二重系化する大変意義のある仕事。今後も地域とコミュニケーションをとりながら工事を進めていきたい」と話した。

 リニアは品川―名古屋間286キロのうち、東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知の6都県で工事が進んでいる。一方、環境への悪影響を懸念する静岡県との対立が解消せず、同県内での着工のめどは立っていない。予定していた27年の開業も困難になっている。(平林大輔)

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