子ども放置禁止条例案 批判噴出で異例の撤回「瑕疵ないが説明不足」
子どもを車内や自宅などに放置することを禁じる埼玉県虐待禁止条例改正案について、提出した自民党埼玉県議団は10日、取り下げを決めた。子どもだけの外出や短時間の留守番も「虐待」に当たるとの同県議団の見解に対し、県内外から批判が殺到。委員会可決後の異例の撤回に追い込まれた。
同県議団の田村琢実団長は10日、埼玉県庁で記者会見を開き、「議案の内容に瑕疵(かし)はなかったと思うが、説明が不十分で不安が広がったと猛省している」「国民や県民からの指摘を受け、取り下げの判断に至った」などと語った。
同県議団は、全国で相次ぐ子どもの置き去り死亡事案を受け、昨年から条例改正を検討。今月4日に県議会に提出した改正案は罰則は設けないが、成人の「養護者」が小学3年生以下の子どもを自宅などに放置することを禁じ、県民に通報を義務づける内容だった。
記事の後半では、どんな経緯で条文ができ、「寝耳に水」と驚いた県幹部の受け止めや批判の広がりを紹介します。世論と政治のズレはなぜ生じたのでしょうか。識者の一人は議会に女性や子育て世代の議員が少ないことや低投票率を指摘します。
条文では禁止行為について「住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置」とのみ記されているが、6日の県議会の福祉保健医療委員会で提案者の自民県議は、子どもだけでの登下校や短時間の留守番も「放置」にあたり、虐待とみなすと答弁。他会派から反対の声が上がったが、自民、公明両党県議団の賛成で可決した。13日の本会議で成立する見込みだったが、その後、県内外で「ほとんどの保護者が条例違反に当てはまる」などと抗議の声が広がった。
改正案の再提出は「今はゼロベース」
田村氏は会見で、条例は養護…
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