アート×鉄道 障害者アートのラッピング車両が出発進行

松尾葉奈
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 知的障害のある作家によるアート作品が全面に描かれた列車の運行が1日、JR釜石、東北線で始まった。作家の作品の商品化などに取り組む「ヘラルボニー」(本社・盛岡市)とJRのコラボで実現した。ラッピングされた2車両は約2年間、主に「快速はまゆり」で使用され、盛岡―釜石間での運行を予定する。

 作品を手がけたのは、ヘラルボニーと契約する作家で、陸前高田市に住む田崎飛鳥さん(42)。生まれながら脳性まひと知的障害がある。2車両にそれぞれラッピングされた作品「森の道・青い森」「森の道・赤い森」は約7年前に描いた。色とりどりの木々が描かれ、東北の豊かな自然がイメージできる作品だ。

 1日の朝、ラッピング車両を使用した快速はまゆりの出発を前に、JR盛岡駅ホームで出発式があった。乗り物が好きだという田崎さんは「うれしい」と笑顔を見せた。家族と一緒に乗車して座席に座ったり、写真を撮ったりして楽しんだ後、手を振って出発した車両を見送った。

 JR東日本盛岡支社の渡辺佳隆・地域共創部長は「岩手らしさが伝わる作品で、森や海に向かう風景にマッチするだろう。岩手にこんな素晴らしい作家さんがいると、この列車の運行で広く伝わってほしい」と話した。(松尾葉奈)

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