異例の自民単独提出「着地点が見えない…」与党に交錯する不安と不満

有料記事自民公明立憲国民

松山尚幹 国吉美香 大久保貴裕 松井望美

 連立政権の仲間の了解も得られぬまま、自民党は政治資金規正法の改正案を国会に提出した。待ち受ける野党の案は総じて公明案以上に政治資金の高い透明度を求めており、協議の行方は不透明。自民からは公明への恨み節が漏れる。

 17日の自民党総務会。党として改正案を最終決定する場で、一人の閣僚経験者が声を上げ続けた。「こんな案では国民の納得が得られるわけがない。党が大変なことになる」。石破茂元幹事長がなだめるように言った。「どんな案にしても批判はある。ただ全額公開なんて言ったら困る議員もいる」。法案は了承されたが、党内の不安は消えない。

 自民は当初、裏金事件の再発防止策に絞るとして、岸田文雄首相が指示した「議員本人の責任強化」「外部監査の強化」「デジタル化による透明性向上」の3項目で法改正を進める方針だった。

 転機は4月の衆院トリプル補選での「全敗」。政治資金パーティーの公開基準額の引き下げや、政策活動費の公開に向けてかじを切った。

 だが、その2点で公明党との…

この記事は有料記事です。残り1157文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター長代理)
    2024年5月18日9時0分 投稿
    【視点】

    「国民の政治にたいする不信感は頂点に達し、わが国議会政治史上、例をみない深刻な事態をむかえている」「国民は各種選挙においてわが党にたいしきびしい審判を下している。選挙にしめされた結果は、もとよりわが党への批判のあらわれと、謙虚に受けとめなけ

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2024年5月18日12時44分 投稿
    【視点】

    裏金問題の教訓として、政治にかかわるカネの流れを透明化することは、この間の納税者たる国民の怒りからすれば必須のはず。にもかかわらず、政策活動費について大まかな支出項目の公開にとどめるといった自民党の姿勢に加え、この期に及んで「自民党と組むの

    …続きを読む
政治資金問題

政治資金問題

「政治とカネ」にかかわる問題が浮上しています。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]