連立政権の仲間の了解も得られぬまま、自民党は政治資金規正法の改正案を国会に提出した。待ち受ける野党の案は総じて公明案以上に政治資金の高い透明度を求めており、協議の行方は不透明。自民からは公明への恨み節が漏れる。
17日の自民党総務会。党として改正案を最終決定する場で、一人の閣僚経験者が声を上げ続けた。「こんな案では国民の納得が得られるわけがない。党が大変なことになる」。石破茂元幹事長がなだめるように言った。「どんな案にしても批判はある。ただ全額公開なんて言ったら困る議員もいる」。法案は了承されたが、党内の不安は消えない。
自民は当初、裏金事件の再発防止策に絞るとして、岸田文雄首相が指示した「議員本人の責任強化」「外部監査の強化」「デジタル化による透明性向上」の3項目で法改正を進める方針だった。
転機は4月の衆院トリプル補選での「全敗」。政治資金パーティーの公開基準額の引き下げや、政策活動費の公開に向けてかじを切った。
だが、その2点で公明党との…