借金まみれごまかす岸田政権と植田日銀 本当に「出口戦略」体制か
記者コラム「多事奏論」 編集委員・原真人
日本で財政規律はもはや死語なのか。そう言わざるをえないほど政治が壊れてしまったように思える。
岸田文雄首相が経済対策のとりまとめを指示した。物価高対策や持続的賃上げ、人口減対策などを柱に、あれもこれもの内容だ。自民党の幹部たちは「(規模は)少なくとも15兆円、できれば20兆円」「減税も当然、検討対象」などと次々に注文をつけている。
いまは景気が悪いわけではない。日銀短観の大企業の景況感はバブル期に近い好調さだ。それなのに世界最悪の借金依存が心配されている政府と与党によって巨額の追加歳出が検討されているのは、かなり異常な構図である。
岸田首相は「今こそ成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」とあたかも経済成長がまったく新しい対策原資を生んだかのような説明をしている。本当にそうか。首相の説明はいわば「朝三暮四」のようなものではないか。
昔、中国で猿にトチの実を朝三つ、暮れに四つ与えようとしたら少ないと不満が出た。そこで朝四つ、暮れ三つと順序を変え提案した。すると猿は喜んだ。
経済対策の財源論もこのごま…
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- 【視点】
キアヌ・リーブス主演の「スピード」という映画がある。 バスに爆弾が仕掛けられ、時速80キロを下回ると爆発してしまうという設定。 走り続けてもやがてガソリンが無くなり爆発する。 かといって止まってもやはり爆発する。 いずれにし
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