日本新聞協会が見解「ニュースプラットフォームに真摯な協議求める」

村井七緒子
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 日本新聞協会は5日、公正取引委員会が9月にまとめたヤフーなどニュースプラットフォーム(PF)事業者と新聞などメディア各社の取引実態の調査報告書に対する見解を公表した。PF事業者に対し、「ネット上の健全な言論空間を守るため、報道機関と真摯(しんし)に協議するよう求める」とした。

 ヤフーニュースなどのPF事業者はメディアと個別に契約を結んで仕入れた記事を無料で配信し、広告収入を得ている。公取委は、強い立場にあるPF事業者が著しく低い使用料を設定することは独占禁止法上の優越的地位の乱用にあたると指摘。使用料の根拠や算定方法の情報を可能な限り開示するのが望ましいとの考え方を示した。

 新聞協会はこの点を踏まえ、「仕入れたニュースコンテンツで得た広告収入の総額や還元した配信料を報道機関に開示し、配信料の算定基準を説明すべきだ」と指摘。ただ、PFとの交渉について「現行の法制度では限界も見える」とし、政府に法制度の見直しを含めた不断の取り組みを求めるとした。

 公取委は、グーグルなどの検索サイトが検索結果に表示するニュースの抜粋も使用料交渉の対象になる可能性を示した。海外ではPFにメディアへの支払いを義務づける動きが広がっており、新聞協会はPFに対し、「国内の報道機関との間でも対価をめぐる交渉に応じるべきだ」と求めた。(村井七緒子)

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