AIが快適な「眠り」を誘う 欧米でスリープツーリズムに注目

ニューヨーク=遠田寛生
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 欧米のホテル業界で近年、「スリープツーリズム(睡眠観光旅行)」が注目を集めている。ホテルやリゾートが、快眠できることを目的とする部屋や環境を宿泊客に提供するサービスだ。

 昨年10月には米CNN、今年2月には米経済誌「フォーブス」が話題として取り上げた。出張や旅行に行く際、飲食や観光などを優先して宿泊先を選びがちで、質のいい睡眠がとれる環境をおろそかにする人が多いという。

 たとえば、米国の「パークハイアット・ニューヨーク」では、人工知能(AI)を搭載したマットレスを使ったベッドを売りにしている。英国のベルモンド・ホテルでは「眠りのコンシェルジュ」サービスがあり、横向きや仰向けを希望する人向けの枕の相談、就寝時に適したお茶のサービスなどがあるという。

 睡眠を研究する米ハーバード大医学部のレベッカ・ロビンズ助教授は「スリープツーリズムは比較的新しい流行で、旅行者の間で関心は高まっている」と需要が増加傾向にあると説明した。

 ウェルネス(健康)産業を研究しているグローバルウェルネス研究所のオフェリア・ユング上級研究員は「ホテル業界で今後、ほかの施設と差別化できるテーマになるかもしれない」とさらなる展開を期待した。(ニューヨーク=遠田寛生)

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